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共同調査・研究のご依頼について

私はかねてから「教育にエビデンス(科学的根拠)のある政策を」と訴えてきており、専門である教育経済学の理論と手法を用いて、 教育が子どもの学力、生産性、学習習慣、学習意欲などに与える影響を、データを用いて明らかにする研究を行ってきました。

近年、財政状況が厳しい自治体も多く、新しい教育政策を行うための予算の「根拠」(=エビデンス)を 求められることが多くなってきたのにつれ、地方自治体や教育委員会、学習塾・予備校経営者、教育アプリやサービスをご提供の企業様、 非営利法人の皆様から、自分たちが行っている教育実践の効果を実証的に明らかにすることに協力してほしいというご要望が増えてまいりました。

たとえば、現在、当研究室で取り組んでいる研究課題の一部をご紹介しますと、

  • タブレット端末を用いた学習は子どもの学力や非認知スキルを上げるのか
    凸版印刷および東京都福生市教育委員会・茨城県古河市教育委員会との共同研究
  • グループ学習の効果や学習におけるソーシャルエールの効果とは
    すららネットおよび関連学習塾・学校との共同研究
  • オンライン英会話は、英語力やコミュニケーション力、海外志向性を高めるのか
    レアジョブ、ピアソン・ジャパン(VERSANT)、および公立高校との共同研究
  • 「質」の高い幼児教育・保育とは
    NPO法人全国小規模保育協議会およびご協力保育園との共同研究
  • フィリピンの貧困地域で、援助に頼らず自立する子どもらを育てるためのライフスキルとは
    NPO法人ソルト・パヤタスとの共同研究

など、様々な実証研究を実施しています。

教育現場で実際に子どもの教育に携わる皆様が、日々行われている教育実践がどの程度、 子どもの教育成果につながっているのか、ということをデータで示し、説明責任を果たしたいとお考えになるのは自然なことと思います。 一方で、大規模なデータや計量経済学的手法を用いた高度な統計分析は、 専門家以外にはなかなかハードルが高く、研究者と共同で行いたいというご要望はよく理解できるところです。

結論からいいますと、そういったご要望には、ぜひともおこたえしたいと思っております。
まずは下記の条件が、皆様のご要望とあうかどうかをぜひご検討ください。

1. データを用いて教育の効果を実証的に把握するためには、研究者がデータを分析できることが必要です。
データを第3者である外部の研究者に開示できるどうかをご確認ください (特に自治体様の場合、自治体の個人情報の保護に関する条例などの定めを、関係部署にご確認いただいてからご相談下さるようお願いいたします)。
当然のことながら、データの分析ができなければ、共同研究は成り立ちません。

新たに生徒や保護者を対象にして(アンケートなどによる)質問紙調査や学力テストを実施する場合は、 ①本人・保護者の方に調査に関する説明書(インフォームド・コンセント)を配布し、調査の趣旨や目的、個人情報の取り扱い (生徒の氏名や住所など個人情報は削除し、分析結果は集計値または推計値のみであり、個人が特定される恐れはないこと)を十分に説明したうえで、調査の同意書を回収すること、 ②本塾大学の倫理委員会の審査を経ること、 ③研究契約書の締結、などの手続きを経る必要があります(すべてのプロセスにだいたい2~3か月はかかります)。

2. 研究の成果は、海外の社会科学系の専門学術誌(英語)、政府や大学法人が発行するディスカッションペーパー(英語・日本語)として公表させていただきます。 自治体名や企業名を特定されるような情報は(公表のご希望がない限りは)掲載いたしません。国内外の学術的な会合(学会やセミナー等)で、 自治体名などを伏せた上でお話しすることはあり得ますが、 口頭発表に際しては、必ず事前にご許可を頂くことにしておりますので、無断でお名前をお出しすることはございません。

3. 調査に関する謝礼は一切頂きません。また、調査にかかる私個人の交通費等はこちらで負担いたします。 また調査のご相談にお越しの際、お菓子などのお土産をお持ち下さる方もいらっしゃいますが、 金額の多寡にかかわらず、一切お受け取りいたしかねます。
※私がこの点を強調するのには理由があります。米国の研究者らが「タバコの受動喫煙と心疾患や肺がんとの関係は小さい」という結論の論文を発表しましたが、 この論文の著者らは、タバコ関連企業からの研究資金を得ており、中立性に問題があるという指摘を受けることになりました。 研究者は常に中立性を保ち、真実を追求せねばなりません。周囲から疑義が生じることのないよう、 調査関係先からのお土産や会食等のお誘いはすべて辞退させていただいております。何卒、ご関係各位のご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

4. 教育上の目的で、当研究室の学部生・大学院生をRA(リサーチアシスタント)として、プロジェクトに関与させることがあり得ますのでご了承ください (RAの給与をご負担いただくことはありません)。 プロジェクトの規模によっては、事前にご了解を得たうえで、学内外の共同研究者に参加をお願いする可能性がありますこともご承知おきください。

エビデンスベーストの教育政策は、この国の教育をよくするためにどうしても必要なことだと思っています。
現場で教育に携わる皆様のお手伝いをさせてください。

中室牧子

ご相談について

教育に関するビックデータ解析への需要が高まるにつれ、当研究室にご相談に来られる企業様が増加してまいりました。 共同研究とは関係なく、企業様の開発された製品やサービス等でのご相談にお見えの場合は、 ご相談料を設けておりますので、 下記にご同意いただける場合はご連絡いただきたく存じます。

なお、勝手ながら、ご相談のお時間は1企業様あたり1時間に限らせていただいております。
共同研究のご相談にお見えになる場合、また公的機関や非営利法人(官公庁、自治体、教育委員会等)の場合はこの限りではございません。
※大変勝手を申し上げておりますが、このところご相談のご依頼が大変多く、すべての方のご相談に応じることが出来かねる状況です。 教育経済学の知見を用いて、社会に貢献したいという気持ちはもっているのですが、 本務である研究・教育活動を犠牲にすることのない範囲でご相談に応じるため、一定のルールを設けさせていただいておりますこと、何卒ご了解ください。

なお、ご相談料は、 私への謝金ではなく、経済的な困難によって十分な教育機会が得られない子どもたちを支援する、 下記いずれかへの非営利団体へのご寄附にてお願いたします(いずれの団体へ寄附も税額控除対象になります)。
※下記の団体のうち、私はチャンス・フォー・チルドレンでは理事を、Teach for Japanではアドバイザーを務める立場ですが、 両団体からこれまで一切、給与・謝金等は受け取っておりませんし、今後もその予定はありません。

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(今井悠介・奥野慧代表理事)

経済的な理由によって塾や習い事を十分に受けることができない子どもらに対し、学校外教育バウチャーを提供しています
http://cfc.or.jp/
三井住友銀行 仙台支店 普通 1756243

認定NPO法人Teach for Japan(松田悠介代表理事)

リーダーシップを備えた優れた教師を育成・輩出することで、
すべての子どもたちが、正解がない中で、新しい時代を切り拓ける教育を目指しています
http://teachforjapan.org/
三井住友銀行 丸ノ内支店 普通 6953680

特定非営利活動法人ソルト・パヤタス(小川恵美子事務局長)

フィリピン・ケソン市パヤタス地区とその周辺の貧困地区で、 人々が望む未来を自らで描き、自らの力で実現していけるよう、
子どもと女性を中心に教育と収入向上の支援を行っています
http://www.saltpayatas.com/
西日本シティ銀行 粕屋支店 普通 1712959

ご面会場所:
慶應義塾大学三田キャンパスの研究室棟右にあります談話室(下記地図の10番の建物)にてお願いいたします
(都営三田線「三田駅」、JR山手線「田町駅」から徒歩5-6分)。
キャンパスマップ:http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html
※オープンスペースではなく、個室でのご面会をご希望の場合は、事前にお知らせください。